ひまわりタトゥー 1 の余波だろうか…?
スーパー高精細ディテールタトゥーのリクエストが相次いでいて嬉しい悲鳴です。
彫り終えたばかりの”ひまわりタトゥー 1”の完成と同時に高精細タトゥーが欲しい!なリクエストをたくさん頂きました。ありがたいです。
+++ 詳しくはこちら・ひまわりタトゥー1 +++
Step 1 / designing + test
今回のリクエストは”ひまわりタトゥー 巨大版”
これって”Botanical Tattoo / ボタニカルタトゥー”ってジャンルらしいです…知らんかった…おれはてっきり”ファーブル昆虫記スタイル”だと思ってました。
ご存知ない方もいるかと思いますが
洋書でこーゆーのがあるんです。キッズ時代のおれはこーゆー図鑑が大好きでした。
植物図鑑、動物図鑑、恐竜図鑑、魚類図鑑、昆虫図鑑…写真も好きだったけど絵の図鑑が好きで、ずーとこれを観てノートに模写してる変なガキでした。
My favorite はシャチです。母と祖母に自宅の庭にプールを作ってシャチを飼おう!と提案したら、母は”お前はバカだと思ってたけど、そこまでバカとは…”と遠くを見つめ、祖母は”100円やるから寝ろ”と悲しい笑顔で呟きました。
シャチを飼ってもらえない茫漠たる悲しさと挫折感
おれは悔しくて一晩中涙を流しながらシャチや虎や植物を描きまくっていました。
人生って
なにが仕事になるかわかりません
まずはクライアントの要望通りにあれこれ
多くの場合クライアントはタトゥーデザインの素人です。そしてウチに来てくれる人達の傾向として”伊彫さんはなんでも叶えてくれる!”とか勘違いしてるけど…
んなわけあるか
デザインやアートの素人は構図や配置、人体のバランスやタトゥーの見え方を一切考慮せず”自分が欲しいだけのリクエスト”を猛烈に夢みがちです。
それはまさに母にシャチを飼わせろ!
と、泣き叫んで懇願したおれのように!
Step 2 / tattooing
もはや六億回は唱えただろうか…
タトゥーは四角い白い紙に書くデザインではない
人体の湾曲したスポット/肌の上に彫り込むデザインである
希望のテーマを部位に合わせ、そのEquipment の配置、サイズ感、バランス…それらを計算してなにをプラスマイナスするべきか?
クライアントの要望を十二分に加味しつつ、そのイマジネーションを超えていくデザインの立案
デザインとアートの違いをわからない人が多い
アート = それを見た人に思考させるもの
デザイン = その答え
タトゥーはお客さんあっての賜物
お客さんが”自分では表現しきれないなにかの答え”を具現化しタトゥー化する。そこがおれらプロ刺青師の仕事です
もうちょっと…
完成!
おれの真骨頂な細い線のタトゥー!
綺麗だなー…我ながら感心します
タトゥーアーティストでも色んなタイプがいます。
・お客さんのリクエスト通りにやるオペレーター型
・お客さんのイマジネーションを自分のスタイルでタトゥー化するイマジネーション型
おれは完全に後者/イマジネーション・タイプです。
オペレーター or イマジネーション…どちらが良い・悪いではなく”タイプ”の違い
それはどのお客さんでもやり方は変わりません
人によってやり方を変える…それが出来る器用なタイプを羨ましいなーとも思うけど、今更自分のタイプ矯正する暇があるなら今の自分のスタイルを極める事に時間を使いたい
LOYAL TATTOO はお客さんの想像力をおれなりのイマジネーションでタトゥーに変換して彫るスタイルでいく
自分の欲しいタトゥーの形がハッキリしてるならオペレーター型のタトゥーアーティストに仕事を依頼すればいい。ウチはうちのやり方で素晴らしいタトゥーを素晴らしいクライアントの皆さんに提供できるようがんばります。
シャチを飼ってくれないならおれは死ぬ!と涙ながらに宣言した時、母はおれに”死ねば?”と言い放ち、父は”いいから宿題やって寝ろ”と呟きました。
息子は渋谷でがんばっています。