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2025/06/03 01:54


いま僕が彫るべきタトゥーは希望



     〈どこにも属さず一人でいよう〉とする反抗


### 粗削りで率直なデザインのタトゥーの震源地は、世界を覆うニヒリズムとポピュリズムに対する〈反逆〉

**聞き手/撮影:植村紫乃(Loyal Tattooスタジオにて)**


暗く沈み込むような世界の流れの中で
かすかに光るものがあるとすれば

それは誰かの「反抗」かもしれない。

横浜にタトゥースタジオ「LOYAL TATTOO」を構えるタトゥーアーティスト・伊彫(いほり)。
その作品は決して華美でも流行でもない。むしろ、粗く、直線的で、鋭い。だがその一線一線に彼がこの時代に感じている「違和感」と「祈り」が刻み込まれている。

そんな彼がいま語るのは“希望”という、あまりにもストレートな言葉だった。

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### “世界の崩壊”に対して、自分が彫るべきものは

**――伊彫さんのタトゥーには、どこか反抗的でありながらも祈りのような感情も感じます。いま、“希望”という言葉を使う理由はなんでしょう?**

伊彫:
2025年以前の人類って、進化していくことが当たり前で繁栄し続けるって妄信してたじゃないですか。
でも現実はそうじゃなくて、人類の衰退が静かに始まってると感じてる。もしかしたら恐竜が衰退して滅びの道を進み始めた頃の最初の空気感ってこんなだったのかな?って感じちゃうくらい


SNSやメディアを見ててもそう。他者への誹謗中傷とか、誰かの不幸を望んでしまうような空気が“普通”になってきている。
それって明らかに病的だと思うし間違ってる。なのに誰もそれを止められていない。

たぶんこれってアメリカにある人種差別と同じように永遠に解決できない日本人病になるんだろうなって予感してる

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### タトゥーは「ポジティヴな反抗」の表現

**――そのなかでタトゥーという手段を通して伝えたいことは何ですか?**

伊彫:
俺にとってタトゥーってもともと“ポジティヴな反抗”の手段なんです。
怒りとか拒絶とか、そういうマイナスの感情だけじゃなくて「生きる」とか「在り続ける」とか、そういう肯定の力を持った反抗。


だからこそ、こういう時代にあえて“希望”を彫るべきなんじゃないかと思った。
皮肉な話だけど、いま「希望」って言葉が一番反抗的に響く時代になってる。

でも、それだからこそ彫る意味があると思ってる。

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### “狼少年のパラドクス”に抗って

**――希望を刻むことが反逆になる。とても示唆的です。**

伊彫:
たとえば“狼少年のパラドクス”みたいな話で
「狼が来たぞ」って最初は警告だったのに、そのうち“本当に来てほしい”と願ってしまう人が出てくる。破滅を望んでるような空気。

俺はそこで逆をいく。


誰も信じてくれないから

せめて破滅してしまえ…

今の時代のそんな気持ち、すごく理解できてしまう。


俺はそこに抗いたい。

「破滅」じゃなく「希望」に賭けたい。
世界が終わっていく絶望に飲まれないように、肌に“消えない光”を刻む。

それが俺ができる一番の叛逆だって思ったんです。



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### 「属さない」ことを肯定するという態度

**――Loyal Tattooの世界観には“一人でいること”への肯定も強く感じます。**

伊彫:
そうですね。
社会って基本的に、なにかの大きな流れ「α=アルファ」と、それに対抗する流れ「β=ベータ」があって、
人はどっちかに属することを求められる。でも、どっちにも属せない人「Σ=シグマ」って絶対いるんですよ。


俺はそういう人間のためにこそタトゥーはあるべきだと思ってる。

そしてそういう人たちに「手を差し伸べる」のではなくて「そのままでいい」と言いたい。


**――共感や連帯ではなく“孤独=インディペンデント=独立を肯定する”表現としてのタトゥー?**

伊彫:
うん。
タトゥーって言葉にできない感情を肌の上で叫ぶ行為だと思うんです。
それは他人とつながるためじゃなくて“自分で自分を肯定する”ための手段。


希望を刻むって簡単なことじゃない。


もう今は“未来を信じる”とか”自分を肯定する”っていう行為そのものが


ある意味で反抗だから



俺がやってるLoyal Tattooはそういう“独り=独立した「個」であること”を美学として彫ってる。

どこにも属さない、誰にも媚びない。

けど、ちゃんと立ってる。


ここまで来るのにずいぶん遠回りもして、途中で滑って転んで大怪我しながら、何回も何回も立ち上がって、ちゃんとやれてる。たぶんこの先はなにが起きても大丈夫。


そういう姿勢を、態度でも行動でも結果としての作品としても見せ続けていきたい。

そして、それはきみにもできるんだぜ?簡単じゃないけどねっていうのをタトゥーで示していけたら?

それはロイヤルタトゥーの存在が俺と似てる「どこにも属せなかった奴ら」の希望になる。



ここは「独りでいること」を誇れる場所でありたい。
誰にも頼らず、媚びず、でもちゃんと立ってる。



このスタジオも俺も何度も転んできた。痛い目にもあったし、誰にも見向きされなかったこともある。
でも、立ち上がる。その姿を作品を通じて見せたい。
それが誰かの「よし、俺もやってやろう」って気持ちに火をつけたら、もう十分だよ。






### 希望を刻むという、静かな反抗

孤独は孤高の入り口で、恥じゃない。

反抗することは、叫びじゃなくて祈りでもある。


希望を刻むことは

最も美しい行為の一つ



**――この場所で刻むのは、ただの模様じゃない。

あなた自身の「姿」そのもの。

決められた美しさや誰かの承認を追いかけるのではなく、自分の感覚に耳を澄ましながら肌の上に“在り方”を刻む。

何かを叫びたいわけじゃない。立ち止まって自分の感覚を信じたい - そんな人にとって、ここで彫られるタトゥーはきっと一生を照らす光になる。

LOYAL TATTOOは、タトゥーを入れる場所である以上に自分を信じ直す場所なのだと思う。

— あなたがあなた自身であることの証のようなタトゥー

静かに、それでも確かに何かを変えたいと思ったとき
その感覚を持って、この場所を訪れてみてください。

あなたがまだ出会っていない「本当の自分」に
ここで、きっと会えるはずです。**



**✒️取材・文/📷アーティスト撮影:植村紫乃**


LOYAL TATTOO + LT MACHINES
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