メタル大好きマンからのリクエストは”バックピース・予算無制限・デザインは全てお任せ”ふむふむ…彼はおれが渋谷で刺青師デビューをした頃からの馴染みのお客さん。だからすでに彼とはタトゥータイムを長く過ごしてるからお互いのセンスは理解し合っています。
Step 0 / designing
えいやっ!とデザインしたのはBaphomet!!
バフォメット…山羊の頭に人間の体を持つキリスト教における悪魔。黒ミサを司る異教の神。悪魔崇拝。
おっかねーな笑笑
彼はメタルが好きだしコア・メタルのルーツってSLAYERに代表されるような悪魔崇拝的なアプローチ。
イメージしたのは90sヘヴィーメタルバンドのアルバムジャケットみたいなデザイン。メタルキッズ時代に死ぬほどHM聴いてきたからすぐに思いつきました。
Step 1 / stencil test
スラッシュメタルなデザインは大好きだし余裕!
それにおれのタトゥーはドイツ仕込みだぜ?ドイツといえばメタルです!
Step 2 / line tattooing
初回 筋彫り
でかい背中にビシッとサイズした超細かい筋彫り。これを一気に五時間!やる方もやられる方もしんどいです。
Step 3 / shading
アウトラインさえ取れてしまえば楽勝です。あとはちまちま三時間ペースで彫り進めます。
こーゆースタイルのタトゥー(所謂洋彫)は和彫と違い塗りつぶす彫り方が少ない。
和彫にも様々な作風はあるけど基本的にはシンプルなアウトラインのモチーフとその背景(額彫)に自然世界風景を彫り込み世界観を表現します。
それに対しておれのやるタトゥーは細かな筋彫りとグラデーションでディテールをちまちま…(だから時間と手間がすごいかかる🥲)でも力強いコントラストを出しつつちょいグロ・ダークな世界観が得意です。
ここから先が和彫の鴉彫とBlack&Gray Tattoo の最大の違いグレートーンです。本式の日本伝統刺青のグラデーションは墨の濃淡です。ブラックアンドグレータトゥーはそのままグレーのカラーインクを使います。
これ、彫師でも勘違いしてる人がいますが…
ブラックタトゥーとブラックアンドグレータトゥーは違います。
ここから先はグレートーン工程。まだまだ先が長い!
もうすぐ完成!
できたー!完成!かっこいいタトゥーだ!
これくらいのサイズ+ディテールのタトゥーは完成までに半年(月二回・一回三時間前後= 36時間前後)くらいかかります。
今回のリクエストは100%なにからなにまでお任せのタトゥーリクエストでした。好きなことを自由に無制限にやらせて貰えるのは彫師冥利に尽きます!