Black Tattoo / ブラックタトゥー
黒しか使わない刺青
日本のアイヌやハジチ、ニュージーランド・マオリ族のトライバル、タイのサクヤンや曼荼羅のような古くから存在するタトゥーは黒一色で仕上げます
また日本伝統刺青”和彫”においても”鴉彫=墨しか使わないスタイル”も存在します
LOYAL TATTOO でもブラックタトゥーをスタイルのメインとしています
+++Jailhouse tattoo
ブラックタトゥーがジャンルとして発生-確立したのは70-80年代のヨーロッパやアメリカの刑務所の中と言われています
刑務所に服役中の囚人たちがあまりに暇すぎて、そこらにある材料をかき集めタトゥーマシンを作り上げ、みんなで楽しくタトゥーしまくってたのがスタート地点です(諸説あり)
デザインのモチーフは彼らの信仰上のデザインや聖書の文言をレタリングしたりが多かった様です
終わりの見えない服役生活=苦悩の中で自らのカラダに自分が犯した罪を悔い改める想いを込めて痛みと共にタトゥーを刻み込む
改心すると決意を込める
諸説あり・懲りない奴は死ぬほどいる
生まれ変わると心とカラダに刻み込む
それがブラックタトゥーのルーツ・原点です
+++進化したブラックタトゥー
刑務所の中で研鑽を積んだJail house tattooer達は娑婆のアンダーグラウンドカルチャー世界に舞い戻り様々な人達にそのスタイルでタトゥーを彫るようになります
アンダーグラウンドカルチャー界のミュージシャンやアスリート達がブラックタトゥーを刻み込んだカラダでメジャーになり成功を掴み取っていく事でブラックタトゥーは世界中のTattoo Lovers 達に広まりました
+++Black Tattoo の利点
ブラックタトゥーは刑務所から派生しています
まさか刑務所内にタトゥーに使えるカラーインクが転がってるはずもなく苦肉の策から黒インクだけを使って看守の目を盗んで手早く彫り上げる必要がありました
カラーワークより短時間で完成します
おまけにカラーより痛みも少ない
これは個人的な感想ですが
日本人/北東アジア人はアングロサクソン系人種より痛みへの耐性が低いような気がします
だからブラックタトゥーって日本人向きかな?と…
諸説あり+体感↗︎
おれはアングロサクソン系が1/4混ざってるから?やたら痛みに強い・みんながやたら痛いと騒ぐ理由がわからないので参考になるかは不明/混血はやたら痛みに強い
アメリカやヨーロッパには刑務所内の職業訓練でPhotoshopやデザインスキルを身につけたJail house tattooer も存在します
その手法やデザインはチカーノスタイルや宗教的なモチーフだけに限らず、シンプルな細い線のタトゥースタイルやリアリスティックな花や猛獣をモチーフにしたスタイル、人物をモチーフにしたポートレートタトゥーやハイテクなトライバルにまで広がり進化し続けています
”刑務所の中で生まれたブラックタトゥー”は世界中で最もポピュラーなタトゥースタイルの一つになっています
+++亜種的なブラックタトゥー
フォトショップをフル活用して作り込まれた赤と黒をコラージュしたトラッシュポルカなデザイン
一部分だけカラーワークを入れ込んだ極細のファインラインタトゥー
写真合成をフル活用したメカニカルなサイボーグタトゥー
Photoshopをフル活用して写真合成したデザインをタトゥー化するやり方が2023年時点での北米欧州のタトゥーシーンのベーシックではあります
私もCGデザイナー上がりのタトゥー屋です
彫師は師匠のとこで丁稚奉公して…的な旧来のやり方なんか全部すっ飛ばして、YouTubeで基礎を独学して海外でトレーニングしてタトゥー屋になった現代型タトゥーアーティスト第一世代
色々やった結果、最近はやっぱり手描きも好きです
+++タトゥーとタトゥーデザインの未来
2023年では人工知能を活用したデザインが世の中に出回り始めています
おれがタトゥー修行をスタートした2013年頃では
—彫師は全部手作業アナログでやるから彫師である
—パソコンやiPad で描いたタトゥー画には魂が入らない
—それをやるお前にはタトゥーアーティストの才能がない
—だから今すぐタトゥーをやめろ
とか埼玉県上尾市の肥溜め臭い田舎彫師のから言われたことがあります
人は産業革命以降テクノロジーの進化と共に豊かになった
人類の進化を否定するなら今すぐ電気使うの止めりゃいい
かつてヤクザやギャング、不良達の脅し道具やその世界への通過儀礼や様式美だったり刑務所から派生した刺青文化
現代では彫師/刺青師もタトゥーアーティストと呼ばれ始めてタトゥーがアート化しつつ、ニューヨークやミュンヘン、ロンドンや東京の大都市ど真ん中では人生の成功者達の証としてのカルチャーに変化しています
未来と同化したタトゥーサイボーグな方向性
最後に作品に魂を込めるのは彫師と客の心意気
時代やテクノロジーの進化に適応しながらも
人間である証明として精神性はより高尚でありたい
タトゥーデザインがAI化しても、最後に人間の手で人肌に美しく緻密に計算され彫られたタトゥーには魂も気合いも勝手に宿るからタトゥーの精神性が朽ちることはない
レオナルドダビンチが現代のこの地球に生きてたら
間違いなくAIやMacを使いまくってるだろうからね
タトゥーマシンの精密性やテクノロジーの進化により人肌では再現不可能だったより精密な密教曼荼羅図や写真と見違えるほどクリアな作品も彫れるようになった
テクノロジーと精神性の融合=“最新と古来の融合”
より精密なデザインの中に
意味と意識の高いタトゥーアート作品化
それが現代から未来にかけての
世界のタトゥーシーンの流れでした
LOYAL TATTOO においても海外のタトゥー最新機材やテクニック、タトゥー知識をリアルタイムでチェック
北米欧州のタトゥーコンベンションシーンに参戦しつつ世界基準のブラック・タトゥー/ Jail house style を追求しながらも、さらなる何かを再現し続けます